来の自分がどうなっているのか、考えてみたことはありますか? 40代、50代、60代、70代……酸いも甘いも噛み分けた“おとな女子(R40≒40代以上)”であっても、具体的に思い描くのは、なかなか難しいもの。とはいえ、未来は1日1日の積み重ね。毎日をどう過ごすかで、人生は大きく変わります。未来のあなたがハッピーでいるために欠かせない「5つの心得」をお教えしましょう。
※本稿は『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?(井戸美枝・著)を一部抜粋・再編集しています。

今からでも遅くない! ライフプランの見直し

未来の自分がハッピーでいるための大前提として、大切なことが2つあります。

1つは「お金」、もう1つは将来への「見通し」「心づもり」です。心づもりは、「決心」あるいは「覚悟」といってもよいかもしれません。

お金に関して大切なことは、次の2つです。
◇お金に困らない、困らせられない3つの原則

◇上手にお金とつき合う

まず、お金に困らない、困らせられない3つの原則とは、
1:収入の範囲内で生活する(支出は収入を超えない)こと
2:
原則として借金はしないこと
3:前記2つの原則を生涯守ること
というものです。

貯蓄も支出の一部とすると、「1」を守る限り、お金が貯まります。大切なのは、毎日の支出のコントロールを習慣にしてしまうことです。できれば、家計簿や日記という一日単位の記録をつけましょう。家計簿は日々のお金の流れを把握でき、月単位、年単位で家計収支が把握できます。日記は、その日の出来事で衝動買いなどを引き起こした原因などがわかるようになります。

次に、上手なお金とのつき合い方ですが、お金を使う「支出」は「清く、正しく、美しく」ありたいもの。「清く、正しく、美しく」の反対は、お金払いが悪く、不法行為や誤ったことにお金を使い、そしてお金に汚い執着があるということです。間違いなく、人に嫌われ、歳をとるごとに後悔します。

また、ある程度の金融資産ができたら、金融資産の運用、投資を考えましょう。将来への安心安全へとつながる可能性を高めてくれます。

「お金」とともに大切になるのが、将来への「見通し」であり「心づもり」です。登山を例にすると、まず、どの山に登るのか、頂上を目指すのか、景観を楽しむのか、など理想とするゴールを設定し、それを達成するための「ルート(見通し)」を持つことが重要です。

その際、どのような手順で頂上へ至るか、具体的なルートを描き、そのルートが正しいのか、チェックもしなければなりません。

この将来への見通しは年代別に考えるとわかりやすいでしょう。自分は今、どんな不安や課題を抱えていて、各年代で、どの程度の「心づもり」が必要なのか。不安や課題を解消するにはどんな方法(ルート)があるのか。自分なりの答えを出してみてください。その過程で新たな課題も見えてくるかもしれませんが、これが「地に足のついたおとな女子」のスタート地点となります。

資産づくりのプランもより具体的に

人生100年時代といわれる今、40代以降の人生は、まだまだ長く続きます。寿命が長くなる分、お金の準備は不可欠となりますが、これからどんな人生を送りたいかをイメージすることで、より具体的なプランを立てることができます。

では、40代以降の人生を4つに分けて、いくつかポイントを挙げてみましょう。それぞれの世代の過ごし方で、人生後半の暮らしは大きく変わります。

*40代*
40代は仕事も人生も充実した時期。豊かな老後のために、この時期の過ごし方が最も大切となります。転職や再就職する可能性も十分あります。自分のスキルを磨く、キャリアチェンジなど、収入アップにつながることはもちろん、これからの人生で長く続けられる仕事と出会えるかも重要となります。

この時期は、お金に関する知識も深めておくこと。お金を自由に使える“おひとりさま”なら浪費に注意し、iDeCo(イデコ)や、つみたてNISA(ニーサ)を増額するなど、そろそろリタイア後を視野に入れたお金の使い方を意識しましょう。

*50代*
50代は老後資金準備に向けてのラストスパート期。50歳以降「ねんきん定期便(日本年金機構が毎年誕生月に送付)」で年金予定額も確認できるので、65歳以降の生活がより具体的にわかってきます。それをもとに家計を見直しておきます。

この時期に、これまでと同じような感覚でお金を使っていると、資産が減るスピードは加速します。収入が減る60代以降を見据えて、収入があるうちにしっかり貯めておくことです。

*60代*
60代は働き方をペースダウンしつつ、趣味や楽しみに時間が使える時期。親の介護に直面しても、できれば仕事は辞めないこと。年齢的に一度辞めてしまうと再就職は難しくなるでしょう。年金を受け取る年齢をなるべく遅くするためにも、仕事は続けたいところです。

60代の前半で、家計、保険などのダウンサイジングも必須です。年齢を重ねると、これらの見直しは億劫になってしまいがち。元気なうちに早めに対処しましょう。

*70代*
70代は年金の受給も始まり、老後生活にシフトしていきます。終活を始めたり、終盤期の生活について具体的に動く時期。人生100年と考えた場合、まだ人生は続きます。70代以降は細かい無駄に気をつけながら、小さな暮らしを穏やかに楽しむ、そんな過ごし方をイメージしましょう。

元気に楽しく過ごすための「5つの心得」

最後に、おとな女子が一生を元気に楽しく過ごすための「5つの心得」を提案します。

高齢化が進む日本では、医療や介護を支える社会保険の負担は、今後徐々に増えていきます。社会保険だけに頼って生活するのは難しいのが現実です。

退職後のお金に関しても、公的年金だけを頼りにするのではなく、自分で準備をすることが大切です。そのためにも、生涯にわたり収入が得られるスキルや仕事を持つこと。少しでも長く働き続けることで、生活や気持ちにも張りが出て、毎日をいきいきと過ごせるようになります。

また、常に収入の範囲で暮らす生活スタイルにすることも大切です。これは60代以降すぐに身につけるのは難しいかもしれません。40代、50代から少しずつでも意識しておくといいでしょう。

何かあった時に頼りになるのは、ご近所さん。地域に親しむ努力をして、仲間をつくっておくと安心です。

年齢を重ねれば、自分にとって大切なことが見えてきます。周囲の意見などに流されず、自分の目でしっかり物事を判断する力を持つことが大切です。この5つの心得を実践して、まわりに迷惑をかけない一生を過ごし、自分らしく穏やかなゴールを目指しましょう!

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拙著『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』では、年金や税金制度のしくみから、ライフプランの見直し、終活のしかたまで、ケース別に具体的な方法を紹介しています。詳しくお知りになりたい方は、ぜひ参考になさってください。


著者プロフィール:井戸 美枝(いど みえ)

CFP®、社会保険労務士。産業カウンセラー。国民年金基金連合会理事(非常勤)。
生活に身近な経済問題や年金・社会保障問題を専門とし、講演や執筆、テレビ・ラジオ出演などを通じて、家計の悩みから資産運用、ライフプランについてアドバイスをしている。「難しいことをわかりやすく」をモットーに、経済エッセイストとしても活動。雑誌や新聞に多数連載を持つ。近著に『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社) 、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)、『残念な介護 楽になる介護』(日経プレミアシリーズ)など。
オフィシャルサイトhttps://mie-ido.com