質問型の「アポイントからクロージング」まで

質問型営業の方法を伝授する『売れる営業の「質問型」トーク 売れない営業の「説明型」トーク』(青木毅 著)では、実際の営業トークの例をあげて、その違いを説明しています。ここでは「アポイント」から「クロージング」までの4つの流れを見ていきましょう。

1.アポイント──コミュニケーションの土台作りから

アポイントを取るには、まず、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうことが大切です。しかし、説明型営業の場合、自分たちのことを相手に押しつけるような言い方になってしまいがち。

説明型「今日は私どもの会社のご案内です」

こう言われても、「えっ、案内なんかいらないよ」と思われてしまいそうですよね。

では、質問型営業はどうでしょうか。

質問型「私どもの会社のことはご存じですか?」

まずはコミュニケーション。そこから信頼関係を作り、ニーズを引き出す。よく知った人の方が、自分の悩みを吐露しやすいものです。共感を示す言葉を使いながら、少しずつ相手と意思疎通していきましょう。

2.アプローチ──ニーズを引き出そう

アポイントが取れて、いざ面会。顧客にどうアプローチすればいいのでしょうか。

ここでも「説明型」と「営業型」に大きな違いがあります。

説明型「多くのお客様から、日常をもっと楽しみたいという意見を聞きます」

お客様は、ニーズを「押しつけられている」と感じるのではないでしょうか。「“日常をもっと楽しみたい”と思っている人もいるかもしれないけど、自分はそうじゃないのになあ」と思うお客様もいるかもしれません。

質問型「お客様は、どのようなことをお望みですか?」

一方の質問型はお客様に焦点をしぼり、相手だけが持っているニーズを引き出そうとしています。お客様が「望んでいること」を聞き、それに応えるのが、質問型営業マンです。

3.プレゼンテーション──役立つポイントをまず説明する

続いてはプレゼン。勝負ともいえる商品紹介の時間ですが、ここでも大きな違いが出てきます。まずは説明型営業マンの言葉から。

説明型「この商品の内容について、順番にお話ししますね」

これまで一生懸命ロールプレイングを重ね、練習してきた。その成果を披露しようという意気込みも大事です。しかし、お客様が聞きたいのは、商品やサービスが自分にとってどのように役立つか、ということです。

質問型営業マンはそこをピンポイントで突いていきます。

質問型「この商品が、お客様の現在の課題にどのように役立つかのポイントを、まずお話ししますね」

お客様は役立つものにお金を払います。そこさえ押さえておけば、余計な説明はいりません。本書によれば、質問型営業マンは聞きとりに面会時間全体の8割くらいを使い、残った2割でプレゼンをするそうです。