まず次のような表を用意して、考えられるネタのカテゴリーを「棚卸し」します。

文章術記事中①
カテゴリー表を準備する(24ページより)

表の空欄に、「美容師の紹介」や「お客様の声」など、美容室ブログの記事になりそうな、書きたいネタのカテゴリーを思いつくまま記入していきます。「なかなか出てこない!」という人は周囲の人にも考えてもらって、がんばって最低でも8つは出しましょう。

文章術記事中②
カテゴリー表に記入する(25ページより)

 山口さんの解説を引用します。

たとえば、「髪のトリビア(7)」というアンテナを張っておけば、日常生活のなかで(あるいは調べるなどの行動を通じて)、「現在、世界最長の髪をもつ人は中国の女性(約6m)である」「平安時代、洗髪は年に1度だけだった?」など、髪のトリビアネタがどんどん集まってきます。
(25ページより)

 これだけでもネタはある程度集まってきますが、棚卸しをここで終えるのはもったいないことです。なぜなら、カテゴリーはさらに細かくすることができるからです。

次は、表1-2の5「自宅でできるセルフケア」を使って、さらに細かく棚卸しした状態です。

文章術記事中③
「自宅でできるセルフケア」をさらに細かく(26ページより)

 すべてのカテゴリーを細かくできたとしたら、最大で8×8=64個のアンテナが張られることになるわけです。ここまでいけば64の記事のネタができたのと同じ。もちろんさらに細分化することでどんどん増やすことも可能ですが、あまりに多くて情報がこんがらがってしまってもよくないので、最初からあまり無理しないほうが懸命かもしれません。

棚卸しは思考の整理にもなる

ネタの棚卸しをすると、アンテナをたくさん張れるのと同時に、思考がどんどん整理されていくことに気がつくでしょう。この作業自体が、最初に思い浮かんだテーマについて良く考えて、広げて、掘り下げていく作業に他ならないからです。

つまり、棚卸しをすると「何を書けばいいのかわからない」と悩んでいる頭の中をすっきりさせ、いつのまにか自分の考えをまとめる手助けをしてくれるのです。