平成28年の確定申告にまつわる記事として、これまで源泉徴収票の読み方を解説した記事台風・洪水・盗難などによる雑損控除を受けるとき、医療費控除を受ける時の記事(要リンク)を掲載してきました。最後となる今回は「寄付金による控除をうけるとき」の申告について、『平成28年申告用 あなたの確定申告』をもとに解説します。

※本記事中の図や書式、控除額等は、平成27年12月時点のものです。

ふるさと納税と確定申告

本記事を読まれる方にとって、なにはさておき気になるのが「ふるさと納税」についてでしょう。「実質2000円の負担で肉も魚ももらえる!」と話題になっていますが、制度をより正確に説明すると「寄付金額が所得に応じた一定の上限額までであれば、「寄付金額ー2000円」を超える部分を所得税・住民税から全額控除する」という制度です(ふるさと納税における控除のイメージは後の項目で説明します)。

寄付した先の自治体によっては、寄付額に応じた特産物などを贈ってくれる場合もありますが、それはあくまでも自治体の厚意によります。

さて、ふるさと納税をして控除を受けるには、従来は「原則的に確定申告を要する」とされていました。しかし、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、平成27年4月1日以降の寄付については以下の条件を満たす限り確定申告が不要となっています。

  • 普段は確定申告をする必要がない給与所得者(いわゆるサラリーマンなど)
  • ふるさと納税をした先が、5団体以内
  • 納税先団体に申請をしていること

よって、5団体を超える自治体に寄付を行なった場合は、従来通り確定申告をする必要があります。同制度に関する詳細は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」を確認してください。

寄付控除による還付目的の申告

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