• 空室の壁。いかに満室にするか。
  • 滞納の壁。いかに家賃を回収するか。
  • 保守の壁。いかに物件価値を維持するか。

これら3つの壁の対策ですが、自主管理しないのであれば管理会社がカギを握ることになります。よって、購入後の賃貸事業の成否は管理会社選びにあるといっても過言ではありません。残念な管理会社を選択すると、たちまち管理の苦労に襲われます。

本書でも月額の合計家賃65万円に対し、滞納が48万円にもなった事例などが掲載されています。成功のためには慎重に管理会社を選ぶ必要があるのです。

売却の壁

不動産投資の収益は、キャピタルゲイン(売却益)+インカムゲイン(家賃収入)で表されます。ところが不動産投資において、購入後に売却するケースが少ないこともあってか、この点に関連した記述のある書籍はあまりありません。

仮に売却しないとしても、保有物件の価値が半減すれば、8%の利回りを想定していたものが実際には3%になっていることもあるのです。このことからも、絶えず物件価値を把握しておく必要があるのです。

本書では、売却経験のある先輩投資家の数多くの経験が記載されています。売却はそう何度も経験できないだけに、これだけのノウハウはとても貴重なものです。事例によって、売却の時期と売却ルートがいかに重要かが分かりますので、既に物件を保有している方にも、ぜひ読んでほしい部分です。


本書の巻末には、累計50万部を突破した『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム刊)の著者、菅井敏之さんへのロングインタビューも収録されています。ここで語られる菅井さんの「失敗事例」にもヒントがぎっしり詰まっています。こんな成功投資家も失敗してきたことを知れば、きっと心強く思えるはずです。