つまり、相手が口先だけで言っているような気がする、なんとなく偽善的なにおいがするから、熱いエールとは裏腹に心が冷めていってしまうのです。

そこで、“がんばりましょう”マンには、「口先オウム返し」で対処しましょう。何を言われても、それと同じ言葉をオウム返しすればいいのです。

「○○さん、がんばってくださいね!」
「はい、がんばりますね」

「今度のプロジェクトは、みんなで一致団結してがんばりましょうね!」
「はい、がんばりましょうね」

これなら、心も頭も使わなくてすむはずです。口先だけの相手には、口先だけで返す。それでいいのです

(P.79より、強調表現のみ編集にて付加)

7. その言葉は「腹黒さの演出」のため? ――“な~んてね”ちゃん

遊びのある大人の会話として、皮肉や風刺をうまく笑いに変えた「ブラックユーモア(あるいはブラックジョーク)」を好む人がいます。上手な人が皮肉をシニカルな笑いにうまく変えるのは見事なものです。

しかし、「皮肉や嘲り、他人を少し不快にするような言葉=ブラックジョーク」と誤解している人のジョークは、皮肉の加減ができていなかったり、ただの悪口で終わることがほとんどです。自分で「腹黒キャラ」と称している人の発言が、往々にして「別に黒くも面白くもない、ただ不快でイタイだけの発言」だったりするのも、こうした誤解が根本にあるからと言えそうです。

さて、この手の人は、言われた側がムッとしたら「な~んてね。真に受けるなよ」などヘラヘラとかわし、逆に少しでも笑うと調子に乗る傾向があります。では、このタイプの対処法をみてみましょう。

対処法:方法は2つ。受け流すか、聞き返す

まず、こうした人に反論したりムキになるのはよくありません。その場ではかわしてくるでしょうが「あれであんなに反応するんだ」と思わせ、頭に乗らせるだけです。子どもが、からかわれてムキになっているターゲットを面白がって余計に囃し立てるのと同じ理屈です。

よって、対処法としてはまず「そうかもねー」と受け流すことです。ですが、スルースキルが高くない人もいるでしょう。そうした人に勧めるもうひとつの方法が「聞き返す」ことです。

自分が面白いと思って言ったことを聞き返されて、もう一度言い直したり、あまつさえ自分でギャグの笑いどころを説明するというのは、想像以上に苦痛を感じるものです。言った側は「皮肉が聞いてて面白いブラックジョーク」と思って言ってるので、聞き返すのは非常に効果を発揮します。

同じフレーズを立て続けに繰り返すことは、なかなかできるものではありません。「これはウケる」と信じてエセブラックユーモアを発し、ノリだけでしゃべっている“な〜んてね”ちゃんにとって、肝の部分が聞き流されてしまっては、おもしろくありません。あなたへの攻撃も軽減するでしょう。

(P.82より)


以上、ここまで7タイプをみてきました。前篇冒頭でも述べたように、これら「困った人」に近づかないで済めればいいのですが、どうしても関わらざるを得なくなりストレスがたまることもあるでしょう。そうしたときは、これらの記事を参考にしてみてください。