子どもの選択を認めてあげよう

―本書の中で、立石さんが特に気に入っている箇所はありますか?

立石美津子さん!
立石美津子さん!

90ページのコラムですね。「『自分が果たせなかった夢』を、子どもに託すのはやめよう」という内容ですが、それがいけない行為だと気が付いていない人が案外多いんです。

先日も、「息子が『習っているサッカーを辞めたい』と言っているが、親としてはどうにかして続けさせたい」と相談してきたお父さんがいました。自分が子どものときに運動が苦手だったぶん、息子さんには苦しくても続けてほしかったようです。

でも、習い事を続けるか辞めるかは、最終的には親ではなく、子どもが決めることです。子ども自身の人生なんですから、子どもが「辞める」「続ける」どちらの選択をしても、親は落胆しないで認めてやりましょう。一喜一憂してはいけません。

もう一つは、128ページの「嫌いなものは食べさせない」という項目です。子育てに熱心なお母さんの中には、子どもの好き嫌いをなくそうと、嫌がる食材を無理にでも食べさせようとする人がいます。しかし、こうすると子どもの好き嫌いを、かえって助長させてしまいます。たとえば、食卓での楽しみよりも「野菜は足りているのか? 残さず食べているのか?」といったことが優先になっている家庭です。
子どもの心には「無理やり食べさせられた」という記憶は深く残るので、大人になってもそのことを覚えていたりもします。もし、本当に子どもの好き嫌いをなくしたいなら、親がどのような食べ物もおいしそうに食べてみせるのが一番です。

このように子どものために良かれと思ってしていることが、実は子どものためにならないことはたくさんあります。少しでも多くの方に本書を手に取っていただき、「親も子どもも幸せになる」方法を知ってもらいたいと思います。


 

たていし みつこ
幼児教育専門家・作家・講演家。学習塾でのサラリーウーマン時代を経て32歳で学習塾を起業。30年間の教育現場での経験を活かした「机上の空論ではない具体的な子育て論」を確立。基本的に辛口トーク。ポリシーは「完璧主義ではなくテキトーに育てることを通して、人生のスタート地点で自尊感情を持たせること」。現在は保育園、幼稚園で0歳~小学校低学年の子ども達と格闘しながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てるママ。著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』(以上、中経出版)『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』(あさ出版)『はずれ先生にあたった時に読む本(青春出版社)』などがある。