自らエンジニアになるか、外注するか

では、どうやって効果的なWebサイトをつくればいいのでしょうか。ここに思い至った起業家から、よく聞こえてくるのは次のような声です。

「当然、自分の商売のことは自分でよくわかっているけど、プログラマーやエンジニアではないし、身近にITに詳しいパートナーもいない。どうやって効果的なWebサイトを構築すればいいんだろう」

そうなんです。起業をして、効果的なWebサイトをなるべく低コストで立ち上げたい、だけど自分にはその技術力がなくて困っている、そんな起業家がとても多いのです。これから勉強をして自分自身がエンジニアになる、という人もいるかもしれませんが、プロレベルのIT技術を学ぶには大変な時間と労力がかかるでしょう。

必然的に、専門業者に外注することになりますが、外注する場合でも、ある程度ITの素養や知識がないと、自分のアイデアや考えを上手く外部の専門業者に伝えられず、思ったようなWebサイトができなくてやり直した結果、無駄な時間とコストがかかってしまった…、という失敗例が後を絶ちません。

つまり、自分がプロのエンジニアになったり、Webサイトを自作しなくても、起業してビジネスを展開していくためには、一定のWeb技術の素養が不可欠です。自分のビジネスモデルをITを応用しながらデザインし、そして外部のIT業者とスムーズなコミュニケーションを図ることのできるレベルのWeb技術──これがまさに起業家に求められているのです。

最新のトレンドや全体像をつかむために

そう考えて、大きな書店の理工学書のコーナーに行くと、HTMLやJavaScript、PHP、Ruby、Linuxサーバーなどなどの分厚い解説書がたくさん並んでいます。ITの予備知識のない方は、おそらくどれから読んでいいか迷ってしまうはず。

そんな方はぜひ、まず本書を手にとられることをおすすめします。『起業のWeb技術』は、Webを構築するためのいわば「ひと通りの技術」をギュッと一冊にまとめた本。と同時に、シリコンバレーで主流となっている「リーン・スタートアップ」や最新のWebデザイン、またWebサイトの効果を最大限に発揮させるWebマーケティングの考え方や基礎知識をふんだんに盛り込みました。起業を成功させるために不可欠な、最新のWeb技術の全体像をつかむのに最適の入門書です。