人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公杉文

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2015/01/06 14:08

2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公は杉文。大河ドラマ決定の発表以前からこの名前を知っていた人はきわめて少ないのではないだろうか。歴史的には無名の人物で、「コンサイス日本人名事典」(三省堂)など、一般の人名事典などには掲載されていない。

主役をつとめる井上真央が杉文のことを知らなかった、というニュースが流れているが、人名事典にも乗っていない人物を知らないのは当然で、不勉強でもなんでもない。

杉文とはどういう人物かとうと、簡単にいえば、幕末の思想家吉田松陰の妹で、志士久坂玄瑞の妻。維新後は楫取素彦男爵の妻である。では、なぜ名字が「杉」なのか、というと生家が長州藩士の杉家だからだ。実は吉田松陰は杉家の生まれで、5歳にして兵学者の叔父吉田大助の養子となっていたため、兄弟でも名字が違っている。

その後は禁門の変を起こした久坂玄瑞に嫁いだため久坂文といわれ、久坂の没後は長州藩の世子定広に仕えて美和という名を名乗り、維新後に明治政府の官僚となっていた義兄楫取素彦(旧名・小田村伊之助)と再婚したのちは、楫取美和子と称した。

そのため、Wikipediaでは「楫取美和子」として掲載され、萩博物館の人物データベースでは「久坂文」、「幕末維新人物事典」(新人物往来社)では「楫取美和」として立項されている。
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