『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

うまい文章を書く人が書いた直後にしていること

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2026/03/06 17:23

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。第97回は「文章のブラッシュアップ」について。

文章作成は、書き上げてからが本番

多くの人が、文章を書き終えた直後に「まあ、こんなものだろう」と納得しようとします。しかし、文章は、書き上げた瞬間が完成ではありません。むしろ、そこからが本番です。

書き終えた直後というのは、もっとも文章を客観視できない瞬間です。書き手の頭の中には固有の文脈があり、脳内で欠けた情報を補完してしまうため、多少の論理の飛躍や情報不足があっても気にならないのです。

一方、文章の読み手は、書き手の頭にあるその文脈を共有できていません。その結果、「すっきり頭に入ってこない」「納得感に欠ける」といった、伝わらない状況を生み出してしまうのです。

では、この状況を避けるにはどうすればいいのでしょうか。それは「まあ、こんなものだろう」という内なる声を封印し、文章を磨き上げることです。

「一晩寝かせる」で推敲効果が爆上がり

おすすめは、書いてから時間を置いて読み返すことです。できれば、一晩寝かせる。少なくとも数時間は距離を取る。時間を置いてから読み返すと、言い回しの重複、論理の飛躍、説明不足、感情の先走りなど、それまで見えていなかった粗が浮き上がってきます。

書き上げた直後の文章は、自分の思考の延長線上にありますが、時間を置くことによって、ようやく「他人の文章」として客観的に読むことができます。推敲の第一歩は、頭を冷やして冷静になることなのです。

文章を磨き上げる4つのポイント

ポイント【1】「言葉足らず」を補う

推敲するときに意識すべきは「補う」です。書き手の中では当然と思っている前提や背景を、果たして読み手は理解しているのか? そこを徹底的に考えます。もし少しでも前提や背景の共有が必要だと感じたなら、その不足を補う必要があります。

背景説明は必要か。結論に至るまでの理由は示されているか。具体例は添えられているか。専門用語を噛み砕けているか。条件のヌケモレはないか。説明不足になっている箇所がないか。1つひとつを丁寧に見ていきましょう。「言葉足らず」な部分を消していくことで、文章の読みやすさと理解度は格段に高まります。

ポイント【2】「削る勇気」で文章はシャープになる!

補うべきところを補ったら、次に行うのが削る作業です。丁寧すぎる説明、なくても伝わる形容詞、勢いで入れた比喩、くどくどしいエピソード。自分では気に入っている一文。情報を足す以上に難しいのが、この削る作業です。

余計な言葉を削ることによって、文章は驚くほど磨かれます。冗長さは読者にとってノイズにほかなりません。一文ごとに「これは本当に必要か?」「言い回しや表現を短くできないか?」と自問自答をくり返します。残す理由が明確でないなら削る。この積み重ねによって、文章は磨かれていきます。

ポイント【3】声に出して、リズムを整える

推敲する際、できれば音読をしましょう。黙読では気づかない粗に気づきやすくなります。長過ぎる一文、引っかかる表現、「だから」「しかし」「つまり」といった接続詞の選択。読点の打ち方。論理が一段でも飛ぶと、読者の集中力は途切れ、納得感が薄まります。

読みにくさは、多くの場合、構造の歪みのサインです。声に出すことで、推敲作業の解像度が飛躍的に高まります。

ポイント【4】推敲は「削る」技術である

推敲とは、文章を飾る作業ではありません。文脈を大切にしながらも、情報の要・不要を見極め、過不足なく整えていく作業です。

あなたは、書き上げた勢いのままの文章で完成としていないでしょうか。「まあ、こんなものだろう」と妥協していないでしょうか。文章作成では推敲が重要です。全体と細部を磨き上げて、完成へと引き上げていきましょう。


山口 拓朗(やまぐち たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『正しい答えを導く質問力』(かんき出版)、『読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術』(SBクリエイティブ)、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)ほか多数。

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