『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

4ステップでOK! AI時代のシン・文章作成法

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2026/01/07 10:33

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。第95回は「生成AIを活用するコツ」について。

「人とAIとタッグで書く」が正解

文章作成の領域にAIが本格的に登場し、「ゼロからすべて自力で書く時代」は終わりを迎えようとしています。とはいえ、AIをうまく使いこなすには「人の力」が欠かせません。本稿では、AIとタッグを組んで書く文章作成のステップを4段階でご紹介します。

【ステップ(1)】「何について書くべきか」を自分で決める

AIは「問い」への回答は得意ですが、ゼロイチで発想することができません。文章作成時に「何について書くべきか」、つまり、文章のテーマや切り口を決めるのは人間の役割です。

まずは、次のような質問を自分に投げかけましょう。「自分が最も伝えたいことは何か?」「今、読者が知りたがっていることは?」「自分の体験で伝えられることは?」「世の中の変化に対して、自分が感じている違和感は?」など。自問自答をしながらテーマと切り口を見つけ出します。

たとえば、「人口が減ることは本当に悪いことなのか?」という問いが出てきたなら、それが文章のテーマ・切り口です。このネタ出しの段階からAIの力を借りたい場合は、自分の意見や考え、気持ち、手持ちの情報などをAIに伝えながら、しっかり「壁打ち」する形で進めていく必要があります。

AIにテーマや切り口を丸投げしようものなら、平凡で均質化したネタになりかねません。

【ステップ(2)】具体的なプロンプトを設計する

ネタや切り口が決まったら、AIに「どう書いてもらうか」のプロンプト(指示文)を設計します。あいまいな指示では、見当違いの出力になりかねません。以下は、具体的なプロンプトの一例です。

〈プロンプト(指示文)例〉

 「人口が減るのは悪いことだ」という一般的な見解に対して、別の視点を提示する論考を書いてください。掲載先は自身のnote(SNS)。読者は社会時評が好きな人。
 わたしの立場は、「一概に悪いとは言えない。むしろ、人間中心主義や拡大経済モデルの限界が見えてきた今こそ、人口減少を前提にした社会モデルの再構築が必要」というもの。
 とくに以下の3点は強調したい。
・人間中心・大量消費社会からの転換が進む
・一人ひとりの「価値」が高まる社会へ
・コンパクトで幸福度の高い社会が可能になる
「反論に対する再反論」まで含めた論理構成とし、1,200字程度でまとめてください。具体例を交えて。語調はやや硬めで。

ポイントは、「誰に向けて書くか」「どんな主旨や論理構成か」「どれくらいの文量か」「どんなトーンか」「事例や構成の希望」などをできるだけ詳しく示すこと。これだけで出力の精度が格段に上がります。

【ステップ(3)】出力された文書をチェックする

AIから出力された原稿は、「第一稿」にすぎません。AIの出力を受けて、以下の視点でチェックします。

〈AI作成文章のチェックポイント〉
・事実関係は正確か?
・論理展開に矛盾や飛躍など不備はないか?
・読者にとってわかりやすいか?
・文体や言葉の選択は適切か?
・当初の意図や狙いからズレていないか?
・表現が不自然、または過剰ではないか?

たとえば、AIは「前向きな論調で」と指示すると、過剰なほどポジティブな文章を出力するようなことがあります。おかしいと感じたり、違和感を抱いたりしたときは、必ず調整しましょう。

【ステップ(4)】修正プロンプトで再依頼する

大きな修正が必要なときは、AIに「どこを」「どう直すか」を伝えて再出力してもらいます。

たとえば、「もっと感情を抑えた表現にして」 「この部分を中学生でも理解できるよう噛み砕いて」 「読者の興味を引きつける導入文に変えて」「この部分のデータ(論拠)があれば示して」など。こうした「修正プロンプト」を投げることで、文章の完成度を一気に高めることができます。

AI時代の文章作成法とは、AIにすべてを任せる書き方ではありません。大事なのは、AIのサポートを受けながら「AIと一緒に書く」こと。ネタ(テーマや切り口)を作るのは人で、形にするのはAI、そして、整えて磨き上げるのは人が担当する。この両者の連携こそが、シン・文章作成法です。


山口 拓朗(やまぐち たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『正しい答えを導く質問力』(かんき出版)、『読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術』(SBクリエイティブ)、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)ほか多数。

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