人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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羽田神社と穴守稲荷神社

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2025/06/03 10:56

先週に続いて羽田散歩。川崎市方面から大師橋で多摩川を渡ると、すぐ左手に羽田神社が見えてくる。羽田神社は鎌倉時代に羽田浦の水軍で領主だった行方与次郎が、牛頭天王(ごずてんのう)を祀った事に始まるという由緒ある神社で、境内奥には「羽田富士」という富士塚があった。

富士塚

富士塚は富士信仰が盛んになった江戸時代中期以降、富士講などによってつくられた富士山に見立てた築山のこと。最盛期には江戸を中心に50ヶ所ほどあったという。

羽田神社を過ぎてそのまま北上、京急大鳥居駅手前を右折し、穴守稲荷駅の横を北に進むと穴守稲荷神社の参道に出る。穴守稲荷神社は、江戸時代後期に鈴木弥五右衛門が開発した鈴木新田の堤防の守護神として建立されたものだった。明治以降次第に参拝者が増え、さらに京急線の延伸によって周辺は行楽地化した。

そして、戦後は東京国際空港(羽田空港)の発展とともに、「堤防の鎮守」だった穴守稲荷神社は「航空の安全」を祈願する神社に変貌、境内には航空稲荷も鎮座し、多くの航空関係者が参拝することで知られている。

このあと、さらに東に歩くと海老取川に出る。海老取川は文字通り芝海老がよく獲れたことに因むもので、この川によってできた多摩川河口の三角州上に羽田空港がある。

川の東側には天空橋駅がある。かつてはここが羽田駅と呼ばれていた。

 

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