日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2025/04/15 10:40
地方に行くと、できるだけその地の博物館や美術館などを回るようにしている。今回も萩では、萩市立博物館と、県立萩美術館・浦上記念館を訪れた。このうち、浦上記念館ではちょうどギャラリー・トークが始まるから、と促されて参加してみた。
この日は、黄檗宗の寺院である東光寺についての解説。あまりなじみのない黄檗宗について、学芸員の方が詳しく解説してくれた。その中で、萩の東光寺にある毛利家の墓所は一見の価値がある、ということで、美術館を出たあとに訪ねてみた。
東光寺があるのは萩市のデルタの外側、JR東萩駅から松陰神社の脇を登って行ったところ。東光寺は、長州藩3代藩主毛利吉就が、元禄4年(1691)に萩出身の慧極を開山として創建した黄檗宗の寺院である。大照院とともに毛利家の菩提寺で、総門、三門、鐘楼、大雄宝殿はいずれも国の重要文化財に指定されている。
この本堂の裏に毛利家墓所があり、3代吉就から11代までのうち、奇数代の藩主とその夫人及び一族、関係者の墓がある。そして、なによりすごいのは墓前に並ぶ藩士が寄進した500余基の石灯籠群だ。大名の墓は各地にあるが、この光景は圧巻で確かに一見の価値がある墓所だった。