人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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大阪講演と妹尾一族

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2020/10/13 10:49

先日、大阪でコロナ後初めての講演を行った。コロナ禍では人が集まることができず、どうしても「密」状況になりやすい講演会は軒並み中止となっていた。それでも、最近ポツポツと対策を講じた上で再開されるようになってきた。

久しぶりに関西まで来たので、講演後はGoToトラベルを使って岡山まで足を伸ばして1泊した。目的は以前から一度見てみたかった、楯築遺跡を訪れること。交通の便がないが、この遺跡は一見の価値がある。

その前に、朝一でホテルを出で向かったのが宇野線の妹尾駅だ。近年ベッドタウン化が進んでおり、駅の東側には新しい街が広がっている。このあたりは埋め立てによって生まれた土地だ。一方西側には小高い山があり、この付近が昔からの妹尾の集落である。通りには呉服屋という看板もあり、かつては栄えていたことが偲ばれる。

岡山県を代表する名字の1つが「妹尾」である。「妹尾」は岡山県で35位に入り、今でも全国の1/3は岡山県在住という特異な名字だ。この「妹尾」のルーツが、妹尾駅周辺である。「平家物語」にも妹尾兼康という平家方の武将が登場するなど、この付近には古くから妹尾一族が力を持っていた。

妹尾の街並み

因みに、「せのお」という読み方は難読のため、岡山県以外では「せお」と読むことも多い。

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