人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「町」の読み方

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2019/06/17 17:13

16日付の神奈川新聞に面白い記事が出ていた。川崎市川崎区にある境町という地名が、「さかいまち」から「さかいちょう」に変わるという。町名が変更することはそれほど珍しいことではないが、「町」の呼び方を「まち」から「ちょう」に変更するのは極めて珍しいという。

「~町」という地名は、自治体としてのものと、自治体内の地名としてのものの2種類がある。このうち、自治体としての「~町」の読み方については、実はざっくりとした傾向がみられ、関東・信越・東北では「~まち」が多く、関東や福島・新潟などではすべて「~まち」。

一方、東海・山梨以西と北海道では「~ちょう」が多く、近畿や四国ではすべて「~ちょう」と読む。ただし、西日本でも大分・熊本・福岡の3県は「~まち」が多い。

「町」を「まち」と読むか「ちょう」と読むかは、その土地でどう読んでいたかによるもので、一般的に西日本では音読み、東日本では訓読みの傾向が強いという。大分県では、名字でも東日本の名字が多く、中世以降東日本の文化を背負った人達が移り住んで来たことがうかがえる。

なお、自治体内の地名としての「~町」の読み方については、こうした法則は当てはまらず、ケースバイケースとのこと。川崎区境町も地元では「さかいちょう」と呼ばれており、今回地元の読み方に従って変更される。

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