「華僑」という言葉を聞いて思い浮かぶイメージとはどういうものでしょうか? 「お金儲けが上手い」「商魂たくましい」「仲間を大切にする」など、とにかくエネルギッシュで働き者で、お金持ちというイメージが一般的なのでは。 私たち日本人の感覚からすると、なんだか押しが強い感じがするし、ビジネス・パートナーとしては手強い相手なんじゃないかと、ある種の警戒感を抱く人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、華僑が世界的に活躍しお金を儲けていることは事実です。彼らの考え方が、私たちのビジネスにプラスにならないはずはありません。

「華僑」は破天荒か?

「華僑」の世界に飛び込んで、短期間で成功した一人の日本人起業家がいます。

大城太 氏
大城太 氏

現在、医療機器のメーカーと販売会社を中心に複数の会社を経営するなど、起業家として成功している大城太氏は、「お金を儲けるには華僑に教わるしかない」と、知人の紹介でやっと出会えた大物華僑に弟子入りを志願。2年間断られ続けたもののほとんどストーカーのようにつきまとい、ようやく許されて「入門」。師匠から直接、華僑の「思考法」と「行動法則」を学びました。

師匠の教えは、日本人の常識では破天荒と言えるものでしたが、実は非常に合理的でシンプル、かつすぐにでも実践しやすいものでした。大城氏は著書『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』の中で、その教えについて「どんな場面でも、どんな相手にも通用するのは、小手先のテクニックや流行にのったノウハウなどではなく、時代が変わっても簡単に変わることのない人間の本質に基づいているから」と述べています(同書「はじめに」より)。

大城氏は、日々の師匠(大城氏の呼び名に従って以下「ボス」とします)の言葉から学んだ教えを綴った「起業ノート」をもとに、2冊目の著書『失敗のしようがない 華僑の起業ノート』を上梓しました。ここではその中から、私たちの常識を覆す、それでいて「人間の本質」に基づいた「華僑の儲けの極意」を、ほんの一部、紹介します。

「お金を出す人」はどこにでもいる/お金を借りられるのも能力

◎ボスの言葉
「お金がない、チャンスがない。日本人は言い訳が多いね。チャンスは絶対誰にでもあるんです」(61ページ)


親戚や友人からお金を借りるのは、体面を気にする日本人的感覚からすると少々気が引けます。しかし、若い華僑は、自分を試すために身内からでもどんどんお金を借りるそうです。「事業化したら絶対儲かるいいアイデアがあるんだけど資金がないし、貸してくれるあてもないから難しいな」などというのは、華僑に言わせれば実行力のなさを露呈しているだけの言い訳にすぎません。お金を出す人など探せばいくらでもいる、というのが彼らの考え方です(ちなみに大城氏も起業する時、大勢の親戚から少しずつお金を出してもらったそうです)。

ただし、そもそも自分に信用がなければ、親戚だろうと友人だろうとお金を貸してなどくれません。人から信用されるように、普段から誠実に人と付き合い、信用を積み上げて認められれば、身近な人からだって堂々と借りることができる。そして、借りた以上に返せばいい。それが華僑の考え方です。