人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

シイに由来する「志位」という名字

このエントリーをはてなブックマークに追加

2014/12/15 09:58

18年振りに小選挙区で議席を獲得し、当選者数も公示前の8議席から、一挙に21議席と2.6倍に激増した共産党。その委員長、志位和夫の「志位」という名字は聞きなれているためあまり違和感は感じないが、実はかなり珍しい。

「志位」は千葉県西部の船橋市と四街道市にごくわずかだけある名字で、志位委員長も四街道市の出身。「しい」と読む名字は漢字一字で「椎」と書くものと、「四位」と書くものが圧倒的に多く、ともに宮崎県に集中している。

一方、千葉県には「椎名」「椎津」「椎崎」といった地名が古くからあり、現在でも「椎名」と「椎津」は名字としても多い。この他にも、「椎木」「椎熊」といった名字もあるなど、千葉県は宮崎県と並んで、「シイ」に関する名字の多い地域である。

「シイ」は日本に広く見られるブナ科クリ亜科シイ属に属する常緑樹の総称で、その実はドングリとして縄文時代から広く食べられていた。現在でも、お祭りの夜店で炒った椎の実が売られている地方もある。

この他にも、「志井」や「四井」と書く名字もあるが、「志位」も含めて、こうした「しい」と読む名字は、九州から関東にかけての太平洋側一帯に広がり、シイの分布と似ていることから、これらは植物の「シイ」に由来するものが多いとみられる。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ