人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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杉並区今川の由来

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2013/11/05 10:18

JR中央線荻窪駅と西武新宿線上井草駅のちょうど中間あたりに、杉並区今川という地名がある。


杉並区今川


「今」という言葉は地名にはよく使われる。「新しい」ということを意味し、「古」や「元」に対する言葉だ。つまり、「今川」とは「新しい川」を指している。この「新しい」とは、新たに作ったというだけでなく、自然的な移り変わりも指す。今のように護岸工事のされていない時代、大きな河川は大雨が降るとその流れを変えた。新しく出来た流れが「今川」で、かつての流れが「古川」である。従って、「今川」や「古川」は全国各地にたくさんあった。

しかし、杉並区のこの付近には善福寺川こそあるものの、大雨で水流を大きく変えるほどの川は流れていない。では、「今川」の由来となったものは何かといういと、実は名字なのだ。

名字の大半は地名に由来しているが、なかには逆に名字からできた地名もある。急速に人口の増えた新開地では地名が足りず、そこに住んだ著名人や開拓した人から地名をつけることがあった。今でも東京や北海道にはこうした人名由来の地名が意外と多い。

杉並区今川の由来となったのは、駿河の戦国大名今川氏である。徳川家康に滅ぼされた今川氏真の子孫が、江戸時代この付近を領地としていたことから、今川という地名になったものだ。
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