人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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秋葉原はアキバか

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2005/11/28 09:53

 24日、皇室典範に関する有識者会議は、皇位継承について、「女系」「女性」いずれの天皇も認める方向での報告書を提出した。この報告書では、内親王は結婚しても皇族を離れないことになっており、先日結婚された紀宮清子内親王が、結婚による最後の皇族離脱者となりそうだ。
 さて、紀宮さま改め黒田清子さんは、秋葉原のマンションに仮住まい中。元皇族と“萌え”の秋葉原という組み合わせがなんともミスマッチ。
 かつては電気街として、現在は“オタクの聖地”として世界的に有名な秋葉原だが、地名のルーツは意外と新しい。このあたりはもともと下級武士の居住地で、江戸時代はたいへん火事が多かった。明治初年の大火のあと、東京府はここを火除地(空地)とし、鎮火のために、静岡県から秋葉神社を勧請した。そのため、秋葉原(あきばはら)といわれるようになったものだ。つまり、秋葉原の略称を「アキバ」というのは正しいのである。
 ところが、明治23年上野から延びてきた鉄道がここに駅をつくることに決定、当時の鉄道庁は駅名を「あきはばら」としたため、以来、秋葉原の読み方は「あきはばら」に変わってしまった。では鉄道庁の間違いか、というとそうでもない。静岡の秋葉神社は「あきは」と読むのが正しいのだ。
 なお、現在このあたりの地名は千代田区外神田。秋葉原という地名は台東区にあり、秋葉原と御徒町のちょうど中間地点のごく狭い地域である。お間違いのないように。
 JR秋葉原駅前
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