人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

学びなおす古代史

このエントリーをはてなブックマークに追加

2017/03/15 09:33

(画像は山川出版社のサイトよりキャプチャ)

何年か振りにインフルエンザになった。予防接種をしているにもかかわらず、である。病院では「今年はそういう人多いみたいですよ」とは言われたが、今一つ釈然としない。ただし、予防接種をしていたせいか比較的軽く、寝ながら本を読むくらいの気力はある。そこで、こんなこともあろうかと買っておいた本を読むことにした。

その本とは『大学の日本史1 古代』(山川出版社)。先日、「教科書から鎖国が消える」というニュースが話題になっていたが、古代史に関しては何の報道もなく刻々と変化していている。

古代史をフィールドとし、常に最新の論文をチェックしているような研究者であれば最新の状況にも詳しいだろうが、そうでなければなかなか最新の動向をつかむのは難しい。フィールド外の情報は、包括的に纏めてくれたものを読むのが一番手っ取り早いのだ。

たとえば、近年箸墓古墳が卑弥呼と同時代の遺跡であることが分かり、新聞に「卑弥呼の墓か」と大きく掲載されていたことを覚えている人も多いだろう。しかし、この本では、邪馬台国と大和王権は別物であると考えるべきとし、年代だけで安易に卑弥呼と結び付ける報道に厳しく釘をさしている。

たまには、こういう時間も必要だ。しかし、来年も予防接種はするつもりである。

このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ