人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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祖母井さんって読めますか?

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2013/06/17 10:22

先日、以前インタビューを受け、4月下旬に放送された関西の深夜番組、「ロケみつ」(毎日放送)から再度連絡があった。この時に特別企画としてオンエアされた「名前なんなん!? ブログ旅」がレギュラーに昇格したということで、深夜番組らしくあわただしく自宅でインタビュー。

この番組、芸人のグイグイ大脇さんが、道行く人に漢字で名前を書いてもらい、その読み方をあてるというもの。仕込みもなく、ただ声をかけるのだが、なぜか難しい読み方の人を捕まえてしまい悪戦苦闘する。大阪だけに西日本各地の出身者がおり、次々と珍しい名字の人が登場する。

今回の難読名字は「祖母井」さん。愛媛県大洲市付近の名字で、知らない人はまず読むことはできない。この名字、実はルーツははっきりしていて、栃木県にある地名が由来。

祖母井一族は栃木県の大名だった宇都宮氏に仕えていたが、南北朝時代に宇都宮氏の分家が伊予に新領地をもらって大洲に移り住んだ際、祖母井氏の分家もそれに従って大洲に移ったのがルーツ。

栃木の宇都宮氏は戦国時代に滅び、宇都宮さんも祖母井さんも、今では栃木県には少なく、愛媛県が全国で一番多い。

なお、「祖母井」の読み方は20日深夜放送の「ロケみつ」(関西・新潟・高知・熊本など、関東では後日)で。
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