ここ数年で「PCを使ったことがない新入社員が増えている」という声が、企業から聞こえてくるようになりました。学生からは「時代の流れに合わせてスマホにシフトしない方がどうかと思う」という反論もあるようですが、膨大な量のデータ分析をはじめとするビジネス上の用途を考えると、まだまだPCに分があります。

それはさておき、ビジネス上のデータを分析するとき、ほとんどの企業では「Excel(あるいはそれに類する表計算ソフト、以後Excel)」を使っています。分析と言っても、売上の集計といった簡単なものもあるのですが、「Excel=難しい」という先入観があるためか苦手意識を抱く人も少なくありません。

しかし、社会人で頻繁に使うソフトの一つである以上、避けて通ることはできません。そこで、データ分析の専門家・加藤昌生氏の著書『新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「Excel」基礎講座』をもとに、Excelの使い方をみてみましょう。

データ分析の流れとExcel

加藤氏は、ビジネス上のデータ分析をする際は「3つの必要な力」があるとしてます。

『新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「Excel」基礎講座』 p.31より
『新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「Excel」基礎講座』(以下、同書) P.31より

まず1つ目の力について、「何を分析したいのか」によって必要なデータは変わってくるので、それらを集めてくる力が必要です。ついでに言うと、ここはExcelを使う前準備の段階ですが、最終目的である「正確かつ必要とされている分析結果」を手に入れられるかどうかが決まる一番大事なところでもあります。

そして2つ目の力の「データの加工」の段階からExcelを使います。集めてきた生データをそのまま提示するのでは、他者には伝わりません。グラフや表にするなど、相手が理解しやすいように加工します。

そして、そのデータから得られた結果を基に分析し、結論を導き出すのが3つ目の力の段階です。もし、あなたがデータアナリストなどを目指すのであれば、この3つのプロセスを完遂させるために必要となる「知識や現場力」も身につけなければなりません。

Excelといえば「関数」、でも一体何ができる?

さて、Excelといえば「関数」ですよね。

「関数」とはあらかじめ定義されている数式のこと。これを使うと複雑な計算もできてしまうので、Excelを使うビジネスの現場では知っておいて損はない、むしろ身に付けるべきスキルの一つです。関数を覚えれば、こんなことが簡単にできるようになります。

例えば、1日から10日までの売上額をExcelの画面上の「B列」に打ち込んでいたとします。そこで10日までの合計の売上額を確認したいと思ったときに、四則演算で計算すると以下のようになります。

=B1+B2+B3+B4+B5+B6+B7+B8+B9+B10

これでは打ち込むのも大変ですよね。

この場合、次の関数でその合計値を計算することができます。

=SUM(B1:B10)

このように関数を使えば面倒な計算も簡略化することができ、非常に効率的にデータをまとめていくことができるようになります。データの加工がしやすくなるのはもちろんのこと、分析する上でも大いに役立つはずです。

覚えておきたい「合計」と「数える」ための関数

加藤氏は「Excelで使う6大関数」として以下の6つをあげています。