『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』の著者、稲村徹也氏は、21歳で会社を立ち上げ、全国展開、株式上場を目指し年商20億円の企業にまで成長させます。しかし当時の銀行の貸し渋りや、規制や制限の問題で、資金が続かず倒産。一転して、30歳で億単位の借金を背負う経験をしています。

つらい時に氏を支えたのはジェイ・エイブラハムなど、世界の「超一流の成功者」たちの金言でした。彼らの言葉から、その行動や思考回路を学び、再スタートを切る力を得ることが出来たそうです。

稲村氏の著書から、成功者が必ず行なっていたという「目標設定」について、その重要性をみていきましょう。

 

 成功に近づくための一番のキーは「目標設定」

成功を手にした人が共通して行なっていたことは「目標を設定すること」です。成功を収めるために目標や展望をもつことは、あたりまえのことだと思われるでしょう。しかし、それをわかりつつも、きちんと目標を設定していない人が多くいます。それはなぜでしょうか。

ビジネスコンサルタントの権威、ブライアン・トレーシーによれば、「目標を設定しない」人に多く見られる理由として、以下の4つがあるそうです。

【目標を設定しない人の「設定」しない4つの理由】

①目標を軽んじている
②設定方法がわからない
③失敗への恐れ
④笑われる(拒否される)
(本書53~54ページより)

どうでしょう。「心当たりがある」とドキッとした人がいるのではないでしょうか。
①は成功を目指す人ととしては論外ですが、②~④については、比較的多くの人が経験したことのあるはずです。

また、コーチングのカリスマ、アンソニー・ロビンズは

「“思う”のと“誓う”のでは決定的な違いがある。自分と周囲に課す“基準”の最低線を決めておかないと、自分の理想に合わない行動や姿勢や価値観を甘んじて受け入れてしまう危険がある」
(本書54ページ)

と表現し、「目標」に重みをもたせることを勧めています。

目標の設定方法がわからないと言う人は、そもそも何を目指しているのかが明確ではないというケースがあります。

たとえば、「大金持ちになりたい!」という目標では、あまりにも漠然としすぎています。この場合、「30歳までに、毎月○○万円の所得を目指す!」など、「目標」を具体化すれば、自分にとって現実的な目標になるはずです。そうすれば、どういう段階を踏み、どういった道筋でゴールに向かうのかと、考え始めることができるでしょう。

「最終目標」に到達するには、最初はスモールステップで進む

 「目標」を決めて達成するにあたり効果的なのが、最初は無理のない現実的な範囲で小さくステップを踏み出し、達成したらさらに大きな目標を設定して……と、段階的に「最終目標」に到達する方法です。

ビジネスコンサルタントのブライアン・トレーシーは、ダイエットを例に目標を細分化する利点を指摘しています。

ダイエットは世界中で多くの人が取り組んでいますが、毎日のように次々と新しいダイエット法が提唱されていることから、途中で断念する人やリバウンドに悩む人が多くいることがわかります。

多くの人が挫折している理由として、短期的に大きな成果を得ようとする人が多いからだと考えたブライアンは「1日20グラムのダイエットができれば1ヵ月で600グラム。そして年7キログラムに達する」というように「目標」を細分化することで、大目標も達成しやすくなると説いています。

その他に、「毎日、100円の節約」や「1日10分の読書で月2冊読破」というのも、「目標」の細分化のわかりやすい例といえるかもしれません。