3. 会議で優位に立つ「声」作りのツボとコツ

会議などでは、大きな声、よく通る声を出す人の意見が採用されがちです。企画の内容や分析データはライバルよりしっかりしているのに、なぜか意見が通らない。それは、あなたの声の出し方・伝え方が、残念ながらライバルに負けてしまっているからかもしれません。

小さい声でボソボソと発言していたら、大きな会議室だったら聞き取りにくいですし、自信がなさそうに見えます。そんな人の意見は、はなから聞いてもらえません。まずは、ある程度大きな声を出せるようになること。ただし、正しい発声をしなければ、ノドを痛めてしまいますし、うるさいだけのがなり声になってしまいます。

腹式呼吸に声を乗せて、よく通る大きな声の作り方を練習してみましょう。

ステップ1 まずは腹式呼吸をしましょう


息を吐くときにお腹をへこませます。吐くときに意識を集中させましょう。

ステップ2 腹式呼吸に声を乗せて出します


腹式呼吸で「アー」と長く伸ばして声を出してみましょう。だんだん大きな声を出していきます。

ステップ3 限界まで大きな声を出してみましょう


MAXの大きな声を出してみてください。何度も限界を出していると、いつの間にか限界が少しずつ上がっていきます。
次のセリフを腹式呼吸の大声で言ってみてください。

・ありがとうございます。
・いかがでしょうか。
・よろしくお願いいたします。

ステップ4 太くて迫力のある声を出してみましょう


腹の底から息が吐けるようになると、太くて迫力のある声が出せるようになります。会議のなかでここ一番というときはスイッチを入れて、この声を出してみましょう。まずは、腹の底から息を吐きながら「ハッ、ハッ、ハッ」とスタッカート(1音ずつ短く切る)で大きな声を出してみます。

ステップ5 レガートで「ハー」と伸ばします


腹の底から息を吐きながら大きい声を出せると迫力がついてきます。スタッカートができるようになったら、レガート(切らずに滑らかに続ける)に挑戦です。「ハー」と伸ばして声を出してみてください。太くて迫力のある声になっていませんか。
(同書136~140ページより)

4. 小さい声で話しても心をつかむ「声」を作る!

前項でも紹介したように、「よく通る声」や「ハキハキ大きな声」はビジネスパーソンにとって重要です。実際、ビジネスパーソンは声の大きい人が出世するといわれていますし、成功している社長や経営者は、一様に声が大きい傾向にあります。

一方で静かなオフィスや、小規模での商談など、日本のビジネスシーンでは小さな声で話さなければいけない場面も多いです。周囲の目を気にする傾向のある日本人の中では「周りに聞かれたくないから、声をおとして」なんて、注意されることがあるかもしれません。

しかし、小さい声で、きちんと相手に通る声を出すのは、慣れない人には難しいものです。場面に合わせて、小さい声でもきちんと相手に伝わる「声」を出すために、次に紹介するトレーニングを実践してみましょう。

ステップ1 腹式呼吸で強く「スッ、スッ、スッ」と声を出してみましょう


腹式呼吸に声を乗せて吐き出します。「スッ」の音は吐く息が大量に必要になりますので、練習にはもってこいです。

ステップ2 大きな声で「ハッ、ハッ、ハッ」と声を出してみましょう


「スッ、スッ、スッ」に声を乗せて出してみます。「ハッ、ハッ、ハッ」と大きな声で出してみましょう。

ステップ3 小さい声で「ハッ、ハッ、ハッ」と声を出してみましょう


今度は、吐く息の量を減らして、「ハッ、ハッ、ハッ」と声を出してみます。腹式呼吸を使って、小さくても遠くに飛ばすようなイメージで声を出してください。

ステップ4 小中大の3段階の声を出してみましょう


「ハッ、ハッ、ハッ」と小さい声で5回、中ぐらいの声で5回、大きい声で5回、このエクササイズをやってみてください。腹式呼吸で息をコントロールするのがポイントです。


(同書、141~144ページより)


 

どれも簡単なのに、確実に「声」を変えることができるエクササイズです。

たかが「声」、されど「声」です。声が変われば自信がつきます。自信がつけば、人生と仕事を一瞬で変えることができます。本書ではさらに具体的に、商談やプレゼン、会議などの場面での、効果的な声の出し方や、ビジネスに即効性のあるワンポイントアドバイスを、多数、紹介しています。 

大切な商談の前はもちろん、毎日の日課のトレーニングとして取り入れてみてはいかがでしょうか。