同時処理(マルチタスク)能力もアップできる

「ワーキングメモリ」には、一時的に記憶する働きのほかに、「ものごとに優先順位をつけて集中する」という大切な働きもあります。いくら記憶しても不必要なものでは仕方ありませんし、ムダな情報で「メモ帳」がいっぱいになってしまえば、結果的に読書スピードが落ちたり、作業が遅くなってしまいます。

そうならないために情報を取捨選択し、いま必要な情報だけを記憶し、検討をするという「同時処理」をするときに、「ワーキングメモリ」の機能が必要なのです。

たとえば読書以外でも、仕事でプレゼンテーションをするときは、自分の話す内容だけではなく、聴いている人の反応や、会場の雰囲気、どのような質問がくるのかなど、様々なことを同時に考えていなければいけません。

プレゼン

現実には、このように同時処理を要求される場面が多々ありますが、同時に複数のことをこなそうとするとき、「ワーキングメモリ」には負荷がかかります。そのため、ワーキングメモリの容量の差が、勉強や仕事といった知的作業の成果を分ける差になってしまいます。

このように、私たちの勉強や仕事の成果に大きく関わってくる「ワーキングメモリ」ですが、ワーキングメモリの領域を刺激するトレーニングをつむことで、容量を増やし、効率よく使えるようにすることが可能になるのです。

最後に1つ、トレーニングをしてみましょう!制限時間は30秒です。

トレーニング

左側にゴシック(太字)で書かれている漢字と同じものを、その右側の8個の中から素早く見つけ出しましょう。このトレーニングは、知的作業に没頭するときの集中力を鍛える目的があります、また、ミスを減らしながら素早く処理することで、短時間で大量の情報を処理するときに、大きな効果があるのです。

では、30秒! はじめてください。

(※クリックで拡大されます)

 

あなたはいくつ、チェックができましたか?

大人でも始めは10個、見つけるのが難しいでしょう。でもそれは、まだまだ、あなたの脳のワーキングメモリを拡張することが可能ということです。本書の中には、他にもたくさんの脳を鍛える速読トレーニング問題が掲載されています。今日から家で「脳の筋トレ」に挑戦してみませんか?