(以下、前掲書58~65ページを要約)

こんな思考&行動は危険!! 新事業に失敗する11のパターン 

1.優れた技術で勝とうとする

技術力を誇る企業ほど陥りやすいパターン。製品ありきではなく、その技術を誰にどう使ってもらうかを考える。まずはそこからスタートしなければならない。

2.選び抜いたアイデアに賭ける

いくつかの案について議論し、「これなら」と着手した事業アイデアでも、しばしば途中で方向性に疑問が生じる。そんな時に最初のアイデアの数が乏しいと、方向転換ができずにそこから離れられなくなる。アイデアはたくさん出すこと。成功するのは1000のアイデアのうち3つ、が相場だ。

3.市場調査などの分析を重視する

市場調査を否定するものではないが、新事業は今までなかった新しい価値を提供するものであることを肝に銘じるべき。データに頼り過ぎず、「顧客の声」を「ペルソナ」を使って確かめていこう。

4.完成度の高い事業計画書をつくる

「美しい事業計画書は」自己矛盾を解決するための「脳内妄想」の産物であることが多い。仮説がどんどん変わっていくのが新規事業。資料の完成度にこだわるより、外部の声を聞くことを優先したほうがよほど有益だ。

5.事業計画を遵守する

だれもやったことのない新事業。いくら精緻に計画を煮詰めても、実行に移したとたんに修正が必要になる。臨機応変に計画を見直すことができ、試行錯誤が可能な環境でないと玉砕してしまう。

6.すぐに儲かる事業を期待する

経営陣が「すぐに100億円の事業に成長することを期待する」などと言いはじめたら危険信号。経営陣はその事業のことを何も理解していない。そのうち期待値に届かない原因の分析ばかり求められ、仮説の修正もできなくなる。全責任が自分たちの身に降りかからないうちに逃げだすことを、強くお勧めする。

7.可能な限り失敗を避ける

事前にできるだけリスクを洗い出し対策を取ろうとすると、小さなチャレンジをすることさえ面倒になる。チャレンジし続けないと成功パターンは見つからない。再起不能にならない失敗は歓迎し、次のチャレンジに活かそう。

8.最初から収益や予算に縛られる

新事業の利益は変数が多すぎて予測が困難だ。中身が見えないうちにお金の話をするのは無意味。予算は最後につくる。そのとき「どう考えても赤字」なら別のモデルを考えよう。