人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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日伯親善高校野球大会

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2007/05/21 08:34

5月12日から20日まで、ブラジルの16〜18歳のアマチュア野球選抜チームが来日した。例の特待生問題で、高野連はそれどころではない、という状況らしく、高野連のホームページでは「日米親善」と誤って書かれたままだ(5/21現在)。とはいえ、地球の裏側から来た選手達をおろそかにすることはできず、国内を転戦して年代のあっている日本の高校生達と交流を深めた。

ブラジル選抜チームは、群馬・茨城・福島・岐阜・三重・東京の各選抜チームと8試合を戦い、結果はブラジルの3勝5敗。ブラジルではとにかくサッカーが中心で、野球はマイナー競技にすぎない。それでも、中軸を打つモライス選手には大リーグからの誘いも来ているという。

ブラジルのようなサッカー大国の中で、あえて野球を選ぶ選手には日系人が多い。特に、今回は日本遠征ということもあり、日系人中心の選考になっているようだ。
団長はオリビオ・サワサト。漢字で書くと沢里だろうか。稀少というほどではないが、岩手県の久慈市付近以外ではあまりみかけない。監督はテンイチロー・サトウという。役員のうち、総務はAlexandre Nitaと書いて、「ニタ」ではなく「ニッタ」(新田?)らしい。広報はJob Jugiceという名前なので日系ではないと思いきや、これで「ジョビ・フジセ」と読むらしく、「藤瀬」さんの可能性がある。

通常、移民した日本人は、戸籍をつくる際に日本の姓名をローマ字で書いたものを使用する。しかし、南米への移民の歴史は古く、明治時代にはローマ字を知らなかった人も多い。彼らの場合、移民先で名乗った名字に対して、現地の係官が適当な綴りで登録したことも多かったようだ。

「Jugice」という綴りを見て、日系を連想できる人は少ないのではないだろうか。
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