人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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地吹雪ツアーが中止に

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2007/01/15 09:55

今年の冬は暖冬だ。東京では、頬を刺すような北風の吹き荒れた日、というのはまだない。もちろん、雪の降る気配も全くない。この傾向は東京だけでなく、北国でも暖冬のようだ。

青森県の五所川原市では、恒例となっていた「地吹雪体験ツアー」を中止すると発表した。理由は単純に「雪不足」。通常、1月末には1メートル以上の積雪があるのだが、今年は1月中旬になっても、積雪はわずかに5センチ。地吹雪とは、積もった雪が舞い上がって起こるものだが、今年は舞い上がる雪がないのだ。

高知県生まれの筆者は、東京に出てくるまでまとまった雪を見たことがなかった。雪とは、年に1〜2回、夜中にパラパラと降るもので、日の出前の塀の上にうっすらとのっている、という程度が限界だ。「今朝は雪が降ってるよ」という母の声に、外に飛び出して塀の上の雪に触ったものだ。早く触らないと、太陽が昇るとともに溶けてしまうからだ。

もちろん、高知といえども標高の高いところでは、数十センチ積もるところもある。小学校の時、こうした山間部からトラックに雪を乗せて運んできたことがある。学校の裏手の陽のあたらないところに小さな雪の山をつくり、生徒が交替で雪を触って感触を楽しんだ。

また、高校時代に「北国の大学に進学したら、雪が降ったときに嬉しそうな顔をしてはいけない」という話があった。なぜなら、雪を見て珍しく感じるのは、高知や鹿児島、宮崎などの都市部だけで、地元の人は迷惑なものと考えているからだ、というわけだ。しかし、地吹雪でさえも観光資源としてしまう逞しい商魂、ものは考えようでビジネスチャンスはどこにでも転がっている、ということだろう。

ちなみに、地吹雪ツアーにはすでに250人以上の申し込みがあったが、うち150人には中止を連絡。4ヶ月以上も前から申し込んでいた100人は、山間部に招待して地吹雪ツアー20周年の記念イベントに参加してもらう予定とか。
この催し、すでに20年も続いていることに改めて驚かされた。
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