人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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赤西仁の先祖

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2006/10/23 11:56

 人気グループKUT−TUNの赤西仁が一時休養を発表した。ジャニーズの人気グループのメンバーでは、かつてSMAPの森且行が引退してレーサーに転身したのが有名だが、今回は“留学する”とのことだけで詳細が発表されず、巷ではいろいろな憶測が流れている。

 事の真相はさておき、「赤西」という名字は珍しい。彼の名を初めて聞いた時、思い出したのが、志賀直哉の小説「赤西蠣太」である。志賀直哉には珍しい歴史小説で、有名な伊達騒動を題材にしたもの。タイトルにもなっている「赤西蠣太」は、政敵・伊達兵部の家にもぐりこんだ隠密だが、小説では「醜男」とされている。隠密である蠣太は、復命のために伊達家を怪しまれないように出奔しなければならない。そこでとった手だてとは、わざと付け文をして振られたことを口実に屋敷を抜ける、というものだった。しかし、案に相違して好意的な返事をもらい、苦悩の末にやはり使命を優先して出奔する、というストーリーである。1936年には伊丹万作監督、片岡千恵蔵主演で映画化もされている。千恵蔵が三枚目を演じた珍しい作品でもある。

 この「赤西」という名字、稀少姓の部類に入る。関西と北四国に点在するもので、兵庫県姫路市に若干固まっているほかは、特に多い所はない。伊達騒動の舞台となった仙台はおろか、東北地方では全くみられない名字である。

 ところで、Wikipediaで「赤西蠣太」を検索すると、「赤西仁の先祖」という記述がでてくる(2006年10月21日現在)。赤西蠣太は志賀直哉が創作した架空の人物なのだが・・・。
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