人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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TBSの安住アナ

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2006/09/19 11:54

 どうもこのところTBSづいている。
 先日、テレビの「クイズ! 日本語王」に出演したと思ったら、17日には急きょTBSラジオの「安住紳一郎の日曜天国」から依頼があり、生放送に出演してきた。実はその直前にもTBSラジオの別の番組から名字についての取材を受けている。

 番組のパーソナリティはタイトルでもわかるように安住紳一郎アナ。番組でも話題になったが、この「安住」という名字は実はかなり興味深い名字の一つだ。「あずみ」と読む名字にはいくつかの種類があるが、それらは古代に栄えた阿曇(安曇)一族の末裔といわれている。阿曇一族とは古代北九州に栄えた一族。「あずみ」という言葉も「海人つ持」(あまつもち)に由来していといわれるように、海に栄えた氏族であった。のちに大和朝廷ができる頃には、その本拠を今の大阪市のあたりに移している。その後、大和政権の中枢に加わった阿曇一族は、海だけでなく、各地に所領を増やして広がっていったのだ。

 阿曇一族の支配した地域は、地名で類推することができる。長野県の安曇野や、滋賀県の安曇川(あどがわ)などは、阿曇一族の移り住んだところ。安曇川は琵琶湖の近くで、海人阿曇一族の活躍の場もあっただろうが、安曇野は海から遠く離れた山の中である。ここで彼らはどういう暮らしをしたのだろうか。

 現在、「あずみ」姓の中で一番多いのが「安住」で、宮城県石巻付近に多い。安住アナは北海道出身のようだが、そのルーツはおそらく宮城県にあるはずだ。さらに遡ると、北九州の出ということになる。
 現在では「阿曇」と書く名字は少ないが、アズミ一族の守護神である綿津見三神を祭っている福岡市の志賀海神社の神官は、今でも由緒正しく「阿曇」を名乗っている。
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