人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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尾張森岡訪問記

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2006/08/29 09:24

 26日、名古屋のカルチャーセンターで「名字と日本人」の2回目の講義をしたあと、少し足を伸ばして尾張森岡に行ってみた。
 尾張森岡駅は、名古屋から東海道線に15分ほど乗って大府に行き、そこから武豊線に乗換えて一つめ。田園風景の中の小さな無人駅だった。まだ電化されておらず、単線の上を2〜3両のディーゼルカーが1時間に2本ほど走っている。



 ホームに降りて駅名標の写真などをとっていると、上り列車がきたが、せっかくなので乗車せずに、駅の近くを散歩することにした。駅には改札も何もなく、ホームからおりるといきなり道路。駅の隣には踏切があり、ここを境にして風景が大きく違う。駅の正面は一面の田園地帯だが、駅の後ろ側は住宅地。駅には自転車がずらっと並んでいたから、それなりの乗客はありそうだ。乗換え時間をいれても名古屋までは30分ほど、新快速にのればもっと速そう。いずれ、郊外の住宅地といった風景に変わるのだろう。



 地名は愛知県知多郡東浦町大字森岡で、駅から少し離れたところに、町立森岡小学校という案内もあった。小学校の名称は、かつては村名だったことが多く、このあたりも明治時代は森岡村という名前だった。いかにも「森岡姓発祥の地」のようだが、実はここは森岡姓のルーツとなった場所ではない。
 森岡姓は、姓氏事典などでは「岩手県盛岡がルーツ」と書いているものが多いが、実際は南四国と中国山地、紀伊半島の山間部に多い名字。中でも一番多いのが高知県の土佐市付近で、ここにある「高岡町森岡」という小字がルーツらしい。
 森岡姓の発祥地ではないのだが、訪問の記念に駅名標に並んで記念写真をとってみた。何かのおりに使ってみたい。

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