人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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地上で3県の交わる点

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2015/01/19 10:11

関東地方に、平地で3つ県の県境が交わる場所があることをご存じだろうか。

都道府県の境は、大きな川か山の尾根、或いは海の中であることが多い。まして3県の県境となると、そのほとんどは高い山の山頂にある。ところが、関東地方では平野の中で3県の交わる点が4か所ある。このうち3つは川の中だが、1ヶ所だけ境目が地上となっているところがあるのだ。

東武日光線の柳生駅で降りて、東方向に200mほど行ったところにその場所がある。この付近の県境は、かつての蛇行する川の流れに沿っており、蛇行が解消された現在では、田んぼのあぜ道のようなところを県境が通っていたりする。



栃木・埼玉・群馬3県の県境


谷中湖西側の栃木県境は、湖中と陸地を行ったりきたりしており、湖岸の道を通ると、何度か県境を超えることになる。そして、この県境と埼玉・群馬両県の交わる場所は陸地側にあるのだ。

地図でこの場所を見つけ、地図アプリを頼りに訪ねていくと、その場所はまさに田んぼのあぜ道の分岐点。県境に沿ってカーブしたあぜ道が一か所で合流している。しかも驚いたことに、その場所には手書きの看板が立てられていた。



看板


あとで聞いたところ、以前にテレビで紹介されたことがあるとのこと。この用水路を跨いで立つと、三県の上に立つことになる。
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