人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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広峯神社と広峯家

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2014/01/14 11:10

NHKの大河ドラマ「軍師 官兵衛」では、今のところ広(廣)峯神社が重要な役割を果たしている。

広峯神社とは、兵庫県姫路市広嶺にあるスサノオノミコトを祀る神社で、奈良時代に吉備真備がこの地で神威を感じて聖武天皇に伝えたのが始まりという。各地の由緒ある大きな神社には、古代から代々続く神官達がいた。伊勢神宮の荒木田家と度会家、出雲大社の出雲家、宇佐神宮の宇佐家、阿蘇神社の阿蘇家、諏訪大社の諏訪家、住吉大社の津守家、鹿島神宮の鹿島家、香取神宮の香取家などがそうで、戦国時代には土地の武士と結びつき、なかには諏訪家のように自ら武士化して大名となった氏族もある。

広峯神社には34家もの社家(神官)があり、このうち筆頭の広(廣)峯家は、平安時代中期に三十六歌仙の一人として知られた凡河内躬恒の子孫と伝える。躬恒の子勢恒が初代大別当となったのが祖で、以後代々大別当を世襲した。やがて一族は武士化、鎌倉時代には幕府の御家人となり、南北朝時代には足利尊氏に属して北朝方として活躍している。

ドラマでは黒田家との結びつきが語られているが、黒田家はのちに九州に転じ、江戸時代には姫路藩主の保護を受けている。

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