人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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動物埴輪と名字

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2012/10/16 10:31

上野の東京国立博物館平成館考古展示室での特別陳列「動物埴輪の世界」が、まもなく終了するということで、14日に行ってみた。



国立博物館半券


小雨の中、東京都美術館の「ツタンカーメン展」に並ぶ長蛇の列を横目に、上野公園を抜けて国立博物館に入ると、特別展の「出雲―聖地の至宝」は混んでいるものの、平成館の通常展はほどよく空いている。

平成館は考古学の展示がメインだが、7月から「動物埴輪」をテーマとした特別陳列が行われている。動物の埴輪というと教科書にも載っている馬の埴輪が有名。もちろん、その他にもたくさんあり、今回鵜の埴輪は初めてみた。埴輪の鵜も、首の後ろには紐の模様があり、当時から鵜飼が行われていたことがわかるという。

この他では、犬、鹿、熊、水鳥、鳥(鶏)、猪、鷹などの埴輪があり、猫や豚の埴輪はない。また、猿も珍しいという。これは、当時の人々の生活と動物の距離関係を示しているに他ならない。

つまり、狩りに使った鵜、犬、鷹と、狩る対象であった、鹿、猪、熊、水鳥、戦に使用した馬が身近な動物だったのだ。

実は、名字ができた時代はこの時代からは300年ほど後になるが、それでも名字によく使われている動物は、この埴輪が造られた時代とあまり変わらない。現在では身近な猫や鳩は、名字にはあまり使われていない。

つまり、名字も日常生活の中から生まれているのだ。
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