人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「指原」のルーツは九州

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2012/06/26 09:24

先日、オリコンの2011年年間シングルCDランキングトップ100が発表された。結果は、1位から5位までをすべてAKB48が独占、100万枚を突破したのもこの5枚のみ。さらに9位と11位にはSKE48が入るなど、圧倒的な強さをみせた。ちなみに、AKB48に続く6位と7位はともに嵐の曲。

さて、スポーツ紙の芸能欄では、このAKB48の指原莉乃の福岡(HKT48)移籍の話題がかまびすしい。移籍の事情はここではふれないが、自身のトラブルの責を負って地方に転じるというのはまるで大企業における出処進退をみているようだ。

では、なぜ福岡なのか、というと、「指原」という名字でもわかるように、九州出身だからだろう。

「指原」という名字はかなり珍しい。全国順位では1万位以下、大分県以外にはほとんどない。大分県でもほぼ大分市のみに集中しているという、1点集中型の名字なのだ。とくに多いのが、大分市東部の丹川地区。「指原」という地名はみつからないが、市内には「佐志原」という名字もあり、「さしはら」という言葉に漢字をあてたものだろう。

「さし」とは上代語で焼畑を指すとも、真っすぐな地形を指すともいわれる。丹川地区は丹生川に沿って長く伸びる谷間で、古代から「丹生郷」として資料にも登場する。この古くから開けた谷間を「さしはら」と呼んだのが由来だろう。
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