人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ウサギ年の名字

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2010/12/27 09:37

今年も最後は恒例の干支の名字をみてみたい。

来年の干支は「卯」。「卯」とはウサギのことである。しかし、「卯」のつく名字は少ない。

一番多いのが関東地方に多い「卯月」で、それでも全国順位は6000位台。しかも「卯月」はウサギではなく、四月の異名である「卯月」に由来すると思われる。

次いで、各地に多い「卯野」が続き、以下は「卯木」(関東)、「卯田」(滋賀県と千葉県)、「卯尾」(石川県と富山県)、「卯川」(関西)、「卯之原」(長野県)の順。このあたりはもう珍しい名字の部類である。

しかも、これらの「卯」もウサギを意味しているというよりは、「宇」から漢字が変化したものである可能性が高い。とくに「卯尾」は、この地方独特の「魚」姓の漢字を変えたものであることは明らか。また、ユキノシタ科の低木であるウツギに「卯木」という漢字をあてることもあり、「卯木」姓はこちらの由来のものもありそうだ。

では、同じウサギでも「兎」で始まる名字はどうだろうか。実は、こちらの方が数が少ない。一番多いのが京都府木津川市の旧加茂町に集中している「兎本」だが、それでも「卯尾」や「卯川」と同じくらい。

以下、「兎洞」(福岡県・大分県)、「兎田」(西日本各地)、「兎原」(宮城県)と続くものの、いずれも「稀少姓」の範疇。

しかし、「兎洞」「兎田」「兎原」と並んでいるのをみると、あきらかにウサギに関係していそうだ。
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