人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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佐々木さん発祥の地

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2010/04/26 10:02

川西池田駅前で撮影した翌日は、滋賀県にある佐々木さんの発祥地を訪ねた。

「佐々木」は地名の由来の名字。しかも、そのルーツはたった1ヶ所である。1つの地名からこれほど広がった名字は、「渡辺」と「佐々木」くらいだ。そして、両方とも今では地名は消滅している。

大阪からJR新快速に乗り、途中で普通電車乗り換えて、1時間半ほどで安土駅に着く。ここは安土城で有名なところで、つい最近までは滋賀県安土町だったが、合併して今では近江八幡市の一部になっている。

安土駅で降りて東側の田園地帯をしばらく歩くと、田んぼの中に鬱蒼と木の茂った場所がみえてくる。これが沙沙貴神社で、佐々木氏発祥の地である。



沙沙貴神社の杜



沙沙貴神社


といっても、この神社が発祥地というわけではない。実は、佐々木というのはかなり広い地域を指していた。大阪の渡辺もそうだったが、広い地域名は、その中の小地名が次々と独立していくことで消滅してしまうことがある。

この付近一帯は佐々木荘と呼ばれており、ここに住んだ氏族が名乗った名字が「佐々木」なのだ。

佐々木氏には実は2つの流れがある。古代からこの地に住んで沙沙貴神社の神官でもあった佐々木氏と、平安時代後期にこの地を領した宇多源氏末裔の武士の佐々木氏である。
やがてこの2氏は融合して1つの佐々木氏となり、沙沙貴神社がその中心となった。沙沙貴神社にはいたるところに佐々木氏の家紋である四つ目結が記され、境内の一角には佐佐木源氏発祥の地という碑もたっていた。



佐佐木源氏・家系図



佐佐木源氏発祥の地の石碑


ちょうどこの日は地元の小学校入学児童が集まって祈祷が行われていた。沙沙貴神社は今でも地元住民とともにあるようだ。
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