人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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森岡町と森岡神社

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2009/11/09 10:15

先々週の鳥取県での講演の戻り、飛行機の待ち時間を利用して境港市の森岡町に行ってきた。

JR境線の米子空港駅から、境港方面に三駅乗ると余子駅に着く。この線は境港市とともに、漫画家水木しげるでで町起こしをおこなっており、このとき乗った電車は「ねこ娘」電車。他にも「鬼太郎」電車がある。

さて、余子駅で降りて西に向かって10分ほど歩くと境港市森岡町に着く。周囲は、刈り取った田んぼのあとに、セイダカアワダチソウが一面に咲き誇っている農村地帯である。



森岡町入り口


実は、ここが森岡姓のルーツでないことは確認済み。「境港市史」によると、江戸時代中期に、中海に面した渡村の農民が、新たにこの付近を開墾して分村したものだという。こうした新田では、開発者の名字を地名にすることも多いが、「森岡」はそうではないらしい。

また、砂嘴の上にできた境港市には、「森」や「岡」はなく、なぜ「森岡」と名づけられたかはよくわからない。

森岡町の中央に、木が鬱蒼と茂っている場所がある。ここが森か?と思っ行ってみると、入口に「森岡神社」という標識が立っていた。これ以外には何も書かれていない小さな神社だが、この一角だけは森の中のような別世界だった。



森岡神社標識



森岡神社入り口
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