人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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2008年の名前ランキング

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2008/12/15 09:58

8日、ベネッセコーポレーションが、今年生まれた赤ちゃんの名づけランキングを発表した。

それによると、女の子の1位は「葵」。過去3年間ずっと5位以内には入っていたが、今回ついに「陽菜」の4連覇を阻止してトップの座についた。

その理由だが、思い当たるのはNHKの大河ドラマ「篤姫」を演じた宮崎あおい。平均視聴率がビデオリサーチ調べで24.6%もあるドラマで、特に女性に人気なだけに、命名にはかなりの影響があったと考えられる。

一方、男の子のトップは「大翔」。残念ながら、筆者はこの名前をすぐに読むことはできなかった。ベネッセによると、主な読み方は「ひろと」とある。ついに、一番多い名前の読み方すら想像できない時代になってしまったようだ。

さて、「凛(りん)」と「蓮(れん)」。どちらが男でどちらが女かわかるだろうか。正解は、「蓮」が男の子の2位で、「凛」は女の子の4位。筆者は、柳原白蓮をはじめ、「蓮」という漢字にはどうしても女性的な響きを感じてしまう。

ただ、こういう感じ方は年齢や環境によって異なるもの。いたずらに、本来はこうだったと言っても始まらない。しかし、名前と性別がどんどん一致しなくなってしまうのは寂しいことだ。
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