人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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星出さん宇宙へ

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2008/06/09 10:11

日本時間の4日朝、日本の有人宇宙施設「きぼう」の船内実験室が、星出彰彦宇宙飛行士の操作するロボットアームによって国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けられた。いよいよ日本もSFの世界に入っていくようだ。

ところで、「星出」とは宇宙飛行士にはぴったりの名字だ。「星野」は全国順位で150位前後のメジャーな名字だし、「星」も300位あたりに入り、会津周辺では最も多い名字となっているところも多い。この他では、山形で「星川」、愛媛で「星加」をよく見かけるものの、これ以外の「星」で始まる名字は珍しい。

「星出」という名字は、全国で300世帯ほどだろうか。順位をつけると7000〜8000位あたりで、稀少というほどではないが、どちらかという珍しい部類に入る。しかも、山口県東部の柳井市から周防大島あたりに集中しており、ここを中心に、広島〜福岡の間に星出さんの大多数が分布している。歴史的にみても、周防大島対岸の大畠町には、長州藩重臣だった繁沢家に仕える星出家があり、周囲には多くの一族があったという。従って、この地域以外の人にとっては、「星出」さんに出合う機会は非常に少ないだろう。

星出さん自身は、東京生まれのアメリカ育ち。その経歴からはルーツを探ることはできないが、「星出」という名字から見る限り、ルーツはこのあたりに行き着く可能性が高い。
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