人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

W杯対戦相手のオマーン

このエントリーをはてなブックマークに追加

2008/06/02 09:01

今日、6月2日、サッカー日本代表が日産スタジアムでオマーンとのW杯3次予選を戦う。すでにバーレーンに1敗を喫している日本としては、ホームでのオマーン戦は絶対に落とすことはできない試合だ。

ところで、「オマーン」という国名、日本ではサッカーのW杯予選以外ではまず聞くことのない国名だろう。中東の砂漠の小国というイメージだが、実は面積は31万平米もあり、ちょうど日本の本州と北海道を合わせたくらいの広さがある。意外と広い国なのだ。

英語表記は、Sultanate of Omanで、日本政府による正式名称は「オマーン国」。オマーンというのは略称である。
Sultanateとは、Sultanの治める国のこと。Sultanは、イスラム世界での君主の称号で、以前は英語風に「サルタン」と言われることが多かったが、現在では「スルタン」か「スルターン」が一般的だ。基本的には王制と同じである。

オマーンは、かつてはマスカット・オマーン土侯国という名前だったが、1970年に皇太子だった現国王のカブース・ビン・サイドが父親を追放した際に、今の国名に改められている。
この土侯国とは、Emirateの訳語で、Sultanよりワンランク下の首長が君臨する国のこと。中東にはかつて多くの土侯国があり、ひとまとめにしてアラブ土侯国と呼ばれ、切手を濫発する国として有名だった。しかし、1971年に統合してアラブ首長国連邦(UAE)を結成、以後は土侯国という言葉は使われなくなった。

国の名前一つとっても、外国の地名は難しい。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ