人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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長野県清内路村が合併へ

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2008/05/12 12:05

5月5日、長野県の清内路村で合併の是非を問う住民投票があり、即日開票の結果、圧倒的多数で合併が支持された。
長野県南部にある清内路村では、隣接する阿智村との合併の話があり、住民の意向を問うための投票が行われた。投票率は92.6%と住民の関心は高く、結果は、賛成が483、反対が61で、89%の住民が賛成という結果が出た。この票数をみてもわかるように、有権者の数はわずか595人。人口も1000人に満たない小さな村である。

ところで、この村は名字愛好家の間ではそれなりに知られている。というのも、ここは「原」と「桜井」という2つの名字だけで、人口の8割を占めているからだ。戦国時代にはすでに、上清内路に原氏、下清内路に桜井氏がおり、当時からこの2家が村の有力一族であったことがわかる。
さらに名字の種類も極端に少なく、村内に現存する名字はわずかに30種類程。人口1000人以下の村でも、100種類ほどは名字があるのが普通だから、清内路村の名字の少なさは際だっている。

平成の大合併では、珍しい名字の宝庫として知られていた富山県の新湊市も合併して射水市となった。阿智村でも原姓は最多だが、人口比では1割程度。桜井はほとんどいないため、2つの名字が人口の大多数を占める村、というのはなくなってしまうことになる。

※清内路村について詳しくは、『日本人の名字 なるほどオモシロ事典』のp33をご覧ください。
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