人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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三浦一族で街おこし

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2022/08/09 10:52

JR衣笠駅前の衣笠商店街が、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で三浦義村など三浦一族の存在感が大きいことを受け、「三浦一族ゆかりの地」として街おこしをしているというので、行ってみた。

三浦一族のルーツの地である相模国三浦郡三浦荘の場所ははっきりしないが、以前このコラムでも紹介したように横須賀市佐島地区とみられている。三浦氏はその後近くの衣笠山に城を築いて本拠とした。城から、佐島地区とは反対側に降ったところが現在の横須賀市衣笠地区で、地区内には三浦一族ゆかりの場所も点在する。

JR横須賀線衣笠駅で降り、右手に向かうと商店街のアーケードがある。

アーケードの両側には「三浦平六義村」「三浦大介義明」「和田小太郎義盛」など三浦一族の人名が書かれた幟が掲げられ、天井からも大きな幕が下りていた。商店街内のガレリア会館では市内にある一族ゆかりの文化財をパネルで紹介する他、横須賀市自然・人文博物館が所蔵する遺構から出土した五輪塔の実物も展示、さらに大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物の等身大パネルも展示されている。

また、商店街内12カ所の出題ポイントを順に巡って3択クイズに挑む「歴史クイズラリー」を実施している他、コラボ商品も販売して商店街を盛り上げている。「鎌倉殿の13人」登場人物ゆかりの地は関東各地にあり、幟などは掲げられているものの、直接の舞台となった伊豆と鎌倉以外でここまで本格的な街おこしをしているところは珍しい。

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