人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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紀平梨花のルーツ

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2019/04/16 13:41

(画像は紀平梨花officialサイトより)

2018-2019年シーズンで初めてシニアに参戦すると、12月のグランプリ・ファイナルで浅田真央以来13年振りとなる日本人シニア1年目での制覇を達成。先日福岡で行われたフィギュアの国別対抗戦では女子SPの世界最高得点を更新するなど、瞬く間に世界のトップにまで上り詰めた紀平梨花。

「紀平」という名字については、先日の「日本人のおなまえっ!」でも取り上げたが、改めてそのルーツを探ってみたい。

紀平は全国ランキングでは4000位台と珍しい名字ではない。年配の方だと社会運動家の紀平悌子(1928~2015)という名前を聞いたことがあるかもしれない。

しかし、全国の半数が三重県津市にあり、その大半が安濃町に集中しているため、三重県以外の人で実際に「紀平」さんに会ったことがある、という人は少ないと思われる。実際、紀平選手の祖父が「のりひら」などと読みを間違われることが多いと話していた。

さて、紀平一族のルーツは紀氏である。紀氏といえば古代から平安時代にかけて公家として活躍した氏族で、「土佐日記」の著者紀貫之が有名だが、紀平氏の祖は貫之とは流れが違い、紀長谷雄を祖する武士となった紀氏一族である

紀平一族は今の津市安濃町付近に住んでいたが、この付近は平家の本拠地でもあった。平氏にも多くの流れがあるが、武士として朝廷に仕えていたのが、伊勢国を本拠とする伊勢平氏、通称平家と呼ばれた一族である。

紀平氏の祖は、本来の姓である紀氏の「紀」と、住んでいる地域の有力武士だった伊勢平氏(=平家)との「平」を合わせて、「紀平」を名字として名乗ったとされる。

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