人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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野田尻宿

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2018/09/25 16:50

談合坂サービスエリア内にある高速バスのバス停は「野田尻」。というのも、この近くに甲州街道の野田尻宿があるからだ。

サービスエリアで食事をした後、高速の北側にある旧甲州街道に出ようとしたが、道がみつからない。そもそもパーキングエリアが高速の南側にあり、南に抜ける箇所はあるのだが、高速道路を横切る道が見あたらないのだ。

唯一発見したのが、バス停近くにある地下に続く不気味な階段のみ。何の案内もなく、電気もついていない。どうみてもバックヤードに続く通路にしか見えないのだが、とりあえずここ以外には見当たらないため降りて行くと、突き当りが左右にわかれ、左手に進むと高速の下をくぐって北側の一般道に出た。そして、ここが野田尻宿の新宿側の端だった。

上野原宿と鳥沢宿の間は甲州街道は山間部を通っていたが、鉄道が桂川沿いのルートとなったため野田尻宿付近は賑わいを失った。しかし、山間にわずかに広がる平地に展開する予想外に広い道幅と、両側に連なる二階屋が、かつて宿場町であったであろうことを想像させる。

野田尻宿を西に抜けたあとは、南に折れて再び高速をくぐり、大野ダムを経て、4キロほどの山下りでJR四方津駅に出た。

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