人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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サッカー日本代表、森保新監督

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2018/08/01 15:18

画像はJFAオフィシャルサイトよりキャプチャ

サッカーの日本代表新監督に森保一氏が就任した。森保一新監督は名字が「森保」で、名前が「一」なのだが、「森保一」と続けて書かれると、姓名間の区切りがよくわからない。そのため、高校時代には「森 保一」と間違われることも多く、そこから「ポイチ(保一)」というニックネームがついたという。

「森保」という名字は、全国ランキングで1万位あたりと珍しい。しかも半数近くが長崎県にあり、4割弱が広島・岡山両県にある。つまり全国の9割近くがこの2か所3県に集中しており、他の地域では極めて珍しい。そのため、多くの人にとっては見たことがなく、メジャーな名字である「森」と誤解されたのだろう。

実は岡山県には「森安(もりやす)」という名字が多く、そこから漢字が変化した思われる「守安」も多い。両県の「森保」の分布はこの2つとよく似ており、広島・岡山両県の「森保」は「森安」か「守安」から漢字が変化したものだろう。

一方、長崎県の「森保」は長崎市にのみ集中している。しかも、市南部の長崎半島(野母崎半島)に多く、森保一監督もこの付近の出身。おそらくこのあたりが、長崎県の「森保」のルーツの地と思われる。

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