人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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「乾」はなぜ「いぬい」と読む?

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2018/06/25 09:41

(画像は公式ブログよりキャプチャしたもの)

24日夜に行われたロシアW杯1次リーグ第2戦のセネガル戦で、前半に同点ゴールを決めた乾貴士選手。この「乾」という名字は600位台で別に珍しい名字ではないが、地域的な偏りがあるため読めない人も多い。また、「いぬい」と読める人でも、なぜ「乾」を「いぬい」と読むのかはわからない人が多い。

通常、「乾」という漢字の読み方は訓読みが「かわく」で音読みが「カン」。この他に「ほす」「ケン」という読み方もあるが、「いぬい」というのは例外的な読み方だ。

江戸時代以前、日本では方角を十二支を使ってあらわした。北が「子(ね)」で南が「午(うま)」、東は「卯(う)」で西が「酉(とり)」である。それぞれの方角はさらに3等分して十二支をあてた。

一方、中国の八卦では方位を八等分した。東西南北の他に、北東を「艮」、南東を「巽」、南西を「坤」、北西を「乾」という。このうち、「乾」の方角が日本では「戌(いぬ)=西北西」と「亥(い)=北北西」の中間であるため「いぬい」と呼んだのが由来だ。

同じように「艮=うしとら」「巽=たつみ」「坤=ひつじさる」と呼び、とくに「乾」と「巽」は名字にも多く使用された。 現在、「乾」という名字は奈良県を中心に、四国南部から愛知県にかけての間に集中している。

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