人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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オギの花

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2017/10/02 11:48

「オギ」という植物をご存知だろうか。漢字では「荻」と書き、「萩」と間違われることが多い。萩は秋に赤い花を咲かせ、秋の七草にも入っているので有名だ。花札では7月の札にイノシシと一緒に書かれている。

実は「オギ」も秋に花を咲かせる植物。イネ科ススキ属に属してススキと極めて似ているため、ススキと混同されることが多い。オギの花が咲くのは9月から10月にかけて。関東では河川敷で見られるとのことなので、多摩川の河川敷に行ってみた。

オギは水辺を好み、ススキは比較的乾燥地を好む。従って、原っぱに茂っているのはススキだが、河川敷では両方生えているとのこと。また、ススキは株状になって固まって生えているのに対して、オギは1本ずつ独立して生えているという。

ススキは1か所にかたまって生える
ススキは1か所にかたまって生える

人の多い多摩川河川敷では、道から近いところは乾燥地なのでススキばかり。草で覆われた小径を通って何か所か河原におりてみたが、やはり人が入れるところにあるのはほぼススキ。そこで、一面の草叢をかき分けて水辺の群落に近づいてみたものの、場所が悪かったのか、やはりススキのようだった。

しかし、ススキの中に1本だけ周囲と明らかに花の毛の長さの違う、オギらしきものが紛れていた。

ogi
「のぎ」と呼ばれる部分が見られないことから、おそらくオギだと思われる

 

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