人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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愛子行き

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2017/09/19 13:42

先日東北に行つた際に、面白い写真を撮ってきた。JR仙台駅の仙山線ホームで撮影したもので、行先表示板に「愛子」と出ている。このあと出る2本の電車はいずれも「愛子行き」なのだ。

この「愛子」とは仙台市青葉区にある地名。「あいこ」ではなく「あやし」と読み、仙山線の大半は愛子までしか行かず、愛子以西の本数は激減する。

「愛子」という字面からは新しい地名のように見えるが、史料上ではかなり古くから「上愛子村・下愛子村」という村名が見え、江戸時代には下愛子は仙台城下と出羽天童(山形県)を結ぶ作並街道の宿場でもあった。

江戸時代中期に書かれた『安永風土記』という書籍に、「当村横町と申所ニ相立申候子愛観音有之候を以、当村之名ニ申来候由」とあり、愛子の地名は「子愛(こあやし)観音」の「子愛」に因むといわれる。

この子愛観音の後背の裏には「文治三年九月吉祥日」の銘がある。文治3年とは平安時代末期の1187年のことで、現在は下愛子横町の旧補陀寺跡境内の子愛観音堂に安置されているらしい。

なお、皇太子ご夫妻の長女の名前が「愛子」と決まった際には記念に切符を求める人が殺到、通常は1日1枚程度しか売れない入場券が1000枚以上売れたという。

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