人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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「四月一日」をなんと読むか

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2016/03/29 14:04

旧暦の4月1日は現在のGW頃となり、この頃に衣替えをする(photo by taka/fotolia)

花冷えの続いた3月もまもなく終わり、もうすぐ4月1日。ネット上には「六月一日」とか「十二月二十九日」など、月日だけでできた名字が、珍しい名字としていろいろ掲載されている。しかし、こうした月日の名字というのは、実際にはそのほとんどは実在しない。

ただし、そのすべてが架空というわけではなく、「四月一日」という名字は実在する。しかも、意外と広い範囲にあり、「極めて珍しい」というわけではないのだ。

今の暦では4月1日だとまだ寒い日も多いが、旧暦と新暦では1ヶ月ほどずれている。今年の場合だと、旧暦の4月1日というのは5月4日に相当する。ゴールデンウィーク中で、この頃になるとさすがに「寒い」という日は少ない。

そのため、昔はこの日を境に綿の入った「綿入れ」から、綿のない「袷」(あわせ)に衣替えをした。従って、「四月一日」や「四月朔日」と書いて、「わたぬき」と読む。「四月一日」さんは、北陸から北海道にかけて点々と分布している。

こういう日常生活から生まれた名字は、一か所に集中することなく、広い範囲に分布していることが多い。

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